ART HISTORY
1.VEZELAY研究〔西洋中世美術〕
2.EQUI ROMANI研究〔古代ローマ美術、馬の美術〕
3.そのほか:著書/翻訳/学会発表/社会活動
4.教歴
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1.VEZELAY研究〔中世美術〕
フランス、ブルゴーニュ地方のヴェズレーにあるサント=マドレーヌ修道院聖堂の大扉口彫刻は、フランス・ロマネスク美術の白眉です。現在では世界遺産でもあります。私は東京藝術大学学部時代より、この彫刻を研究しています。卒業論文、東京藝術大学大学院修士論文でまとめたあと、さらに研究を深めてきました。
『ヴェズレーのラ・マドレーヌ修道院聖堂ナルテックス扉口のロマネスク彫刻研究』 (修士論文、東京藝術大学)1998年
「ヴェズレーのラ・マドレーヌ修道院聖堂ナルテックスの扉口彫刻―中央大扉口の図像プログラムと『使徒行伝』」美術史學會学会誌『美術史』第151冊、p.61-77, 2001年
「パリ国立中世美術館所蔵《象牙装丁板:磔刑、 復活、 昇天、 再臨》の研究」
東京藝術大学西洋美術史研究室『Aspects of Problems in Western Art History』第4号、p.37-45, 2003年
「ラングドック地方における初期ロマネスク彫刻の様式研究―トゥールーズ、 サン・セルナン聖堂における様式の展開―」『東京藝術大学美術学部紀要』第42号、p.51-97, 2004年
「円環形式の黄道十二宮―古代ローマからヴェズレー彫刻へ」東京藝術大学西洋美術史研究室『Aspects of Problems in Western Art History』第5号、p.5-12, 2004年
「ヴェズレーのキリスト像のモデリングと顔、 4つの渦巻装飾―時代、 形式を越えた様式的影響関係―」東京藝術大学西洋美術史研究室『Aspects of Problems in Western Art History』第6号、p.19-27, 2005年
〔口頭発表〕
「ヴェズレーのラ・マドレーヌ修道院聖堂ナルテックス扉口彫刻の図像学」美術史学会東支部例会、於:上智大学、1999年
2.EQUI ROMANI研究〔古代ローマ美術、馬の美術〕
40歳から始めた乗馬をきっかけに、馬の美術表現に興味を持ち、東京大学のローマ史の碩学本村凌二先生に師事しました。古代ローマは、西洋の馬の美術の歴史を考えるには、重要な時代です。古代ローマ時代、馬は、庶民から皇帝までの生活のあらゆる面―キルクス競走、戦争、凱旋行進、狩猟、動力や移動手段など―で深くかかわっていました。凱旋門、記念柱、騎馬像などのモニュメントやモザイク画やコインの美術を考察し、「馬の美術史」を博士論文にまとめました。
『古代ローマ社会における馬―モニュメント、美術作品から読み解く、ローマ人の馬へのまなざし―』(博士論文、東京大学)2012年
『ローマ帝国と地中海文明を歩く』(本村凌二編、共著、第2章「マルクス=アウレリウス帝騎馬像―古代都市ローマにただ一体残された大騎馬像―」担当)講談社、2013年
「《マルクス・アウレリウス帝騎馬像》から《ガッタメラータ騎馬像》まで ―西洋美術史における騎馬像の系譜―」日本ウマ科学会学会誌『Hippophile』第30号、p.3-6, 2007年
「美術作品にみられる『理想の馬』―西洋美術史における騎馬像の系譜(2)―」日本ウマ科学会学会誌『Hippophile』第32号、p.10-13, 2008年
「古代ローマ時代の馬名―馬のモザイク画と競走記録碑文―(前篇)」日本ウマ科学会学会誌『Hippophile』第56号、p.8-15,2014年
「古代ローマ時代の馬名―馬のモザイク画と競走記録碑文―(後編)」日本ウマ科学会学会誌『Hippophile』第58号、p.12-17, 2014年
「レオナルドの馬」(展覧会カタログ解説文)『レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展 〜日本初公開「タヴォラ・ドーリア」の謎〜』(越川倫明監修)2015年
〔口頭発表〕
「《マルクス・アウレリウス帝騎馬像》から《ガッタメラータ将軍騎馬像》へ―西洋美術における騎馬像の系譜―」日本ウマ科学会、於:東京大学、2006年
「美術作品にみられる『理想の馬』―西洋美術における騎馬像の系譜(2)―」日本ウマ科学会、於:東京大学、2007年
「《マルクス・アウレリウス帝騎馬像》にみられる騎馬像の定型」地中海学会大会、於:早稲田大学、2008年
「古代ローマ時代の記念柱浮彫にみられる「馬」の表現―《トラヤヌス帝記念柱》と《マルクス帝記念柱》を中心に」美術史学会全国大会、於:国学院大学、2012年
「古代ローマの皇帝親衛騎馬部隊騎士の墓碑と、その浮彫の「馬」図像」地中海学会大会、於:尾道しまなみ交流館、2012年
3.そのほか:著書/翻訳/学会発表/社会活動
〔そのほかの著書〕
『感性の論理とその実践-2 美術の歴史・美術科教育の歴史』(加藤磨珠枝ほか共著、第3章「西洋彫刻の歴史」、第4章「西洋工藝の歴史」担当)大学教育出版、2005年
〔翻訳〕
アンドレ・シャステル『ローマ劫掠 一五二七年、 聖都の悲劇』(越川倫明ほか共訳、第4章「論争―イタリア人と蛮族」)筑摩書房、2006年
〔公開講座・講演〕
「ティツィアーノ作《カール5世騎馬像》」(『ヴェネツィアの美を楽しむ』第8回/公開講座)早稲田大学エクステンション・センター、2008年
「古代ローマの美術」(高千穂大学公開講座)2014年
「ローマ皇帝と馬―美術作品からの考察―」(日伊協会、講演)2015年
「芸術家たちのビジネスセンス―レオナルド・ダ・ヴィンチから芸大生まで―」(講演)BIZ CAFE8、横浜メディア・ビジネス・センター、2018年
〔現地調査〕
1984年:ヨーロッパ各地の美術館・遺跡見学
1994年:敦煌壁画・麦積山彫刻の調査(東京藝術大学美術学部日本東洋美術史研究室主催)
1994/96年: フランス各地での中世ロマネスク彫刻・壁画/古代末期のローマ美術の調査、資料収集
1997年:ヴェズレーおよびドイツ各地のロマネスク時代のモニュメンタル彫刻の調査、資料収集
1998年:モン・サン・ミッシェル修道院聖堂のロマネスク彫刻と写本挿絵
2000年:フランス、モントワール、 サン・ジル聖堂のロマネスク壁画の調査
2001年:ナポリ国立考古学博物館およびヴァティカンのピオ・クリスティアーナ美術館での調査
2002年:スペイン北東部ロマネスク彫刻の調査(花王芸術科学財団助成研究による現地調査)
2005年:ルーヴル美術館、大英博物館他での調査・資料収集
2008年:イタリアの古代およびルネサンス期の騎馬像の調査・資料収集
2010年: シチリア島、ローマ:博士論文資料の収集(東京大学博士課程研究遂行協力制度研究助成)
4.教歴
2019年度:
東京藝術大学(「論文作成技術特講」にて博士課程の論文指導、共通科目「彫刻概論I」)
新国立劇場バレエ研修所:「美術史」
大妻女子大学:「美術史A」「美術史B」「ギリシャ神話の図像学」「キリスト教美術の図像学」
毎日文化センター:「ギリシャ神話の図像学」「キリスト教美術の図像学」
そのほか:
立教大学「美術と社会」「キリスト教美術」「美術の歴史」など
上智大学、宝仙短期大学、関東学園ほかにて西洋美術史の講義