七宝(エマイユ)の種類、体験レッスン
先日、体験レッスンに来てくださったI様の作品。
彼女も私と同じ美術史の講師。エマイユの技法を実際に見てみたい、とのことで体験レッスンにいらっしゃいました。
西洋美術史では、七宝のことをエマイユ(フランス語)と言い、大きくは次の2種類に分けられます。
ひとつは、エマイユ・クロワゾネ(Email cloisonné)といい、地金の上に、極薄の線を立てて(輪郭線や描線になる)、焼き付けて、彩色する技法。日本でいう「有線七宝」のこと。尾張七宝と呼ぶこともあるようです。
もう一つはエマイユ・シャン・ルヴェ(Email champ levé)といい、厚みのある地金に、窪みを彫って、そこへガラス釉薬を入れ、焼き付ける技法。西欧中世の聖遺物箱を始め、歴史的にはたくさんの遺品があります。現在では伝統的なシャン・ルヴェ制作はほとんど見られません。似たものとして、実際には彫らずに、エッチング技法を使うアーティストもいるようです。