最近読んだ本:本村凌二著『教養としての世界史の読み方』

本村凌二著『教養としての世界史の読み方』PHP研究所、2017年

NHK文化センターの「古代ローマの美術」のために、少し古代ローマ・ネタを補強しようと、改めて読み返す。特に美術史の背景となる古代ギリシアと古代ローマの精神性のちがいを、分かりやすくまとめたかった。

著者の、歴史家ならではの時空を横断する独特の視線と、それを整理し、組み立てなおし、提示する知性には、いつもながら感嘆するばかりだ。
・ローマはなぜ帝国になりえたのか―ギリシアとローマの違い
・「知識」のギリシア、「お金儲け」のカルタゴ、「勝利」のローマ
・世界では同じことが「同時」に起こる―ローマ帝国と漢帝国を襲った「三世紀の危機」
などなど、おもしろいテーマが満載の一冊。

読みながら、ついつい『三国志』ファンの私は、古代ローマと漢帝国の関連のところを夢中で読んでいた。少し前、先生との飲み会の時に、『三国志』の話になったことがある。私は当時、諸葛孔明が好きで、その智謀が歴史を変えたと力説したように記憶している。そんな私に、先生は、曹操こそ文武に秀でたすごい人物だ、最近の人は『三国志演義』をちゃんとよんでいない、と嘆いていらっしゃった。確かに私もガオ・シーシーの超長編ドラマを繰り返し見ていただけだった。古代ローマと日本の江戸時代はよく比較されるが、いつか、古代ローマと漢帝国について書かれたものを考察してみたいと思う。